西興部村の旅
| ウエンシリ岳 | 氷のトンネル |
標高1,142.3mで村内最高峰。昭和53年に天塩岳道立自然公園の一部に指定されてからは徐々に登山道の整備も進み、中央登山口が出来てからはアプローチは少し楽になった事もあり登山者も増えているようだ。ウ・エン・シリとはアイヌ語で悪い山・険しい山という意味、ウエンシリ岳はその標高からは信じられないような鋭い尾根と深い谷を持ちその名が示すとおり断崖の多い山だ。キャンプ場からの登山ではかなり険しくハイキング気分ではのぼれない。ジクザクのきつい登りで尾根に出ると氷りのトンネルからの登山道が合流すると見晴らしの良い岩尾根になるが、尾根は両側に切れ落ちているので濡れているときは注意が必要だ。ここを過ぎれば登山道は樹林帯にはいり急斜面の登りになる。ハイマツが現れ出すと氷のトンネル沢が急斜面の深い谷を作っているのが見え壮観だ。およそ4時間の苦闘でハイマツに囲まれた草原の頂上に到着する。中央登山口からの登山では最初から森林帯の尾根からの登りだが距離は長くなる。尾根を上り詰めると前方が開けてくるがそのさきに頂上が突き上げている。周りは千島桜を始め百種を数える花たちが咲きひとときの安らぎを与えてくれるが急斜面の登りは辛い。主稜線に出、下川からのコースが合流する所からは急斜面もなくまもなく山頂だ。山頂からは遠く大雪の山々やオホーツク海も望むことができる。下山時は足元に気を配りながら慎重に下ろう |
ウエンシリ岳の麓に、夏のほんのひと時だけ姿を現し炎暑でも4℃という肌寒さを感じる涼味満点の「氷のトンネル」がある。それは高さ十数メートルも固く積み重なった雪山の上部は、雪崩と一緒に落ちてきた木の葉などに覆われて融雪を阻み、一方で下部は藻興部川の源流の熱対流により融け出す事で出来る、自然が作った真っ白い巨大なトンネルだ。沢登りをしている人にとっては特別珍しいものではないが、車で入れるような所に出来たスノーブリッジは非常に珍しいものだ。だからこそ観光の目玉にもなっているのだろう。登山のベテランともなるとスノーブリッジをくぐるようなことは、よっぽど切迫した状況でない限りしません。スノーブリッジは崩落が崩落する危険性が常につきまとうからです。常識では「入ったらダメ」ですが。研究者の話では雪渓の厚さが3m程度になると崩壊するようだとの事です。実際には積雪の厚さとトンネルの大きさや形によっても、雨や気温などでも変わってくると思いますが、崩落するとごく一部でも想像を絶する重さで決してあなどってはいけないものだと思います。過去に岳人でスノーブリッジをくぐり事故にあったり亡くなられた例もあり安易にトンネルに入るのは危険きわまりない事です。少なくとも8月に入ったら入るのはやめた方がいいかも。入るときは自己責任で、ほんとに別の意味でも涼味とスリル満点の氷のトンネルです |